左手には川、土手を挟んで右手には玉ねぎ。
「え？こんなところで？川が氾濫したりしないのかな？」
そんなことが心配になりましたが、そこにこそ清水農場の玉ねぎの美味しさの秘密がありました。

お話を伺ったのは清水農場の清水貴弘さん。
代表であるお父さん・ご家族と共に、特別栽培の玉ねぎを広めようと色々と仕掛けている若者です。
「川のそばで作る玉ねぎって大変じゃないですか？」と質問すると「逆に川の恩恵があるんです！」という言葉が返ってきました。

清水農場は岩見沢市栗沢町・幌向川に面した場所にあることで川から運ばれるミネラル成分が供給され、玉ねぎ栽培に最適な環境にあるんだそうです。
さらにその環境に甘えることなく"化学肥料と農薬を50%以上削減する特別栽培"で玉ねぎを育てています。

●特別栽培とは？
"化学肥料の窒素成分を50%以上削減して生産した農産物のこと"
清水農場では除草剤・生態系に影響のある農薬である、ネオニコチノイド系を使用していません。
土に対しても、納豆菌をかけることで病気に強くしたり植物本来の生命力を引き出す効果があるそう、また海洋成分も使用しています。

恵まれた環境の中で、化学肥料も減らす特別栽培で育てた玉ねぎを、責任を持って食卓にとどけたいという思いから、玉ねぎ１つ１つを人の手と目で確認。収穫作業の際にはハーベスターの上に人が乗り、選別をかけています。
ほかではあまりやっていないことをするというのはそれだけ品質を追求している証です。

その後、選別ローラーにかけて手作業で粗選(あらせん)。
そして最後にもう一度手と目でしっかりと玉ねぎの状態を見て選別出荷してます。

さらに清水農場では玉ねぎの連作をせず、小麦と大豆を輪作して土作りを基本になるべく農薬の使用を控え、安全で安心な作物を栽培しています。この場所にあって、恵まれた場所、先代への感謝をしっかりと込め、美味しい玉ねぎを食卓にとどけようという気持ちがあります。

お父さんの背中を見て育った貴弘さんは幼い頃から農家になろう！と決めていたそうです。
そんな貴弘さんにどんなところにやりがいを感じますか？と聞いたところ即答で「お客さんに美味しいって言われたとき」と答えてくれました。

そのために毎日毎日、土と農産物に真摯に向き合っているんだなぁ。と、当たり前のことを当たり前に繰り返すことの大切さを再確認しました。